リゾート形態上の種類

転換型リゾート

分譲型コンドミニアムやモーテルなどをタイムシェア用に転換した、いわゆるコンバージョン・リゾートのことで、タイムシェア初期にはこのスタイルが多く見られました。転換のコストも低く、時間もかからなかったため、利益のあがらない物件をタイムシェアに転換するしか方法のなかったデベロッパーにとっては、タイムシェアが救世主となったケースもありました。ただ、家族の長期滞在に適したレクリエーション設備などが完備されていないリゾートもあり、業界が成熟化するに連れ、その数も少なくなっていきました。

 

現在では、販売競争上からも不利になり、最初からタイムシェア用に設計されたリゾートが主流を占めています。例外的に、コンバージョン・リゾートが注目を集めたケースも幾つか有ります。それは、由緒あるイギリス貴族の館や城をタイムシェアに転換したり、サンフランシスコのヴィクトリア風のアパートを改装したり、サンディエゴの街中の歴史的建造物をタイムシェア・リゾートとして蘇らせた例などです。これらは、転換型リゾートでもプラス面の例として大いに注目に値します。

タイムシェア目的型リゾート

これは、最初からタイムシェアを目的として、長期滞在に必要な設備やサービスを念頭に置き、綿密に計算され設計されたリゾートのことです。業界が成熟化しつつある現在では、世界各地で目的型リゾートが主流になっています。
一般の中流家庭ではなかなか味わえない高級感と広いスペース、良質の家具類、ホテルに近いサービスを提供し、快適な休暇を約束する配慮がなされています。

ホテル・タイムシェア

ホテルの一部または全部をタイムシェアとして販売・運営するリゾートのことです。ほとんどのユニットが2人用のホテル・ルームですから、居住性はあまり良くありませんが、立地に恵まれたケースが多く、ホテルの多様な付帯設備やサービスが受けられるという利点があります。アメリカではこのタイプのリゾートは少ないのですが、メキシコや南アフリカでは多くみられます。

 

ホテルの平均稼働率が70%であれば、残り30%の部屋をタイムシェアに当てても、ホテル営業には支障をきたしません。部屋のアップグレードは通常必要ですが、そのコストも僅かで済みます。 タイムシェアの販売収益以外にもホテル側にはメリットがあります。それは、稼働率が更に上がる為、レストラン等の収益が増えることです。

ミックス型リゾート

分譲型コンドミニアムとタイムシェア、ホテルとタイムシェアというように二つの要素を組み合わせたリゾートのことです。過去の例からみると、売れ残ったコンドミニアムや余っているホテルの部屋を利用するケースが多く、最初からタイムシェアを念頭においていないため、販売および運営面に於いても中途半端な成果に終わってしまう懸念があります。

 

理想的には、計画段階から二つの要素を組み入れ、販売計画と運営計画を立てるのが望ましいといえます。