タイムシェア・コミュニケーションズ
タイムシェアが今日の隆盛をみるに至ったのは、リゾート交換システムの存在が大きな要因であったことは既に述べた通りです。1974年に初めて交換システムが導入されて以来、タイムシェア業界の発展につれ、交換システム会社もそのシステムの改善を計るとともに、サービス網の拡大を進めて来ました。最初の交換会社として、アメリカ・インディアナ州インディアナポリス(現在ニュージャージー州パーシパニー)に本拠を置く、Resort Condominiums International、通称RCI(アールシーアイ)社が1974年に設立され、その2年後の1976年には同じくフロリダのマイアミに本部を持つ、Interval International社、通称 I.I.(アイアイ)社が活動を開始しました。

80年代に入って、小規模な交換サービス会社が数社現れたものの、いずれも先行2二社には遠く及ばず、そのうちに忘れられた存在となってしまいました。現時点で世界中にサービス網を巡らし、高度なコンピューター・システムで交換サービスを提供しているのは、RCIとIIの二社だけで、他に小規模なサービス会社が十数社あります。
ホテルの予約システムとは違い、タイムシェアの交換システムは非常に複雑で、特殊なノウハウが要求され、世界を結ぶオンライン通信網を維持しなければならない為、今後とも新たな参入者があるとは考えられません。既に世界中にサービス体制を確立している二社の寡占状態が続くのは、間違いないと思われます。まず、RCIとIIのデータを比較してみましょう。

交換システムなしにはタイムシェアの発展は有り得なかったことは、既に歴史的に証明されていますが、RCIのデータに表れているタイムシェア・オーナーの利用度からもその重要性は理解できます。また、次に掲げる各国消費者の購入動機調査にもその重要性が反映されています。


では、なぜ交換システムがそんなに魅力的なのでしょうか。いくら自分の購入したホーム・リゾートが魅力的でも、リゾート地は自国内にもたくさんあるし、外国も含めればその数は無限に近いものです。しかし、ホーム・リゾートを拠点としながらも、交換によって他のリゾートが無料で利用できるシステムは夢を世界に広げさせます。特に道路網や航空輸送網が高度に発達した現在では、国内の長距離旅行だけでなく、海外旅行という贅沢も一般大衆の手に届く時代になっています。

一方、デベロッパー側からみても、自分のリゾートの魅力に加えて、他のリゾートも同様に利用できる交換システムは、販売上の大きな付加価値になっているのはいうまでもありません。世界的に見ると、今日では交換システムという付加価値のないタイムシェア・リゾートはまず考えられないといっても過言では有りません。
ここでまず、交換とは具体的にどうすることなのか理解しておく必要があります。一般的な誤解として次のようなものがあります。交換とはいわゆる「スワッピング」であって「ハワイ・リゾート」を持つA氏が「フロリダ・リゾート」に交換で行きたい場合に、そこのB氏がA氏の「ハワイ・リゾート」に交換を希望するなら、A氏とB氏の間で交換が成立する。その仲介を交換会社が行う・・・・・・という誤解です。

交換システムはこのような原始的な一対一の物々交換ではなく、もっと洗練された流通システムなのです。実際の交換は次のように行われます。「ハワイ・リゾート」のA氏が交換を希望すると、まず自分の持つ1週間の権利を交換会社に預けいれます。この預けられた週には具体的な利用日と週番号が付けられています。同じく、「フロリダ・リゾート」のB氏も自分の週を預けいれてきます。

交換会社の統計からもわかるように、常時数十万の週が色々な地域のリゾートから交換会社に集まってきます。交換会社ではこれをスペースバンク・プールと呼んでいます。いわゆる、銀行の預金口座のようなものです。この口座に預けいれた会員は、このプールの中に自分の利用したいリゾートと利用希望日に合った週があれば、それを引き出して使う権利があるのです。つまり、A氏は「フロリダ・リゾート」の第10週を交換希望します。たまたま、B氏の預けいれた週が第10週だったので、これでA氏の交換は成立です。ところが、B氏の希望は「メキシコ・リゾート」でしたが、スペースバンク・プールに彼の希望する利用日の週が預け入れされていましたので、彼のメキシコへの交換も成立。そして、A氏の「ハワイ・リゾート」を実際に利用したのは「カナダ・リゾート」のC氏でした・・・・・・という具合に交換が行われます。

すなわち、交換会社に自分の週を預けいれて交換の権利を持てば、スペースバンクにプールされているリゾートは、原則的に誰が使っても良い、というのが交換システムの基本です。しかしながら、交換の公平さを保つ為に次に述べるようなルールに基づいています。
参考までに、RCIとI.I.の交換システムは、細部には違いが残っているものの、最近ではほとんど似通ったシステムになっています。競争関係にはありますが、お互いのシステムの良い点は取り入れ、それぞれが改善を重ねてきた結果であると言えます。また、最近ではリゾートデベロッパーのポイントと互換性をもたせたポイント交換システムも構築され、より高度な交換プログラムも実施されていますが、ここでは無用な混乱を避けるためにRCIの週単位交換システムをとりあげることにします。

ユニットの定員
購入者は特定のタイプのユニットを購入します。小さな2人用のユニットのオーナーが6人定員の2ベッドルームのユニットと交換するのは不公平になります。そこで、交換の公平の原則として、「自分のユニットと同等かそれ以下」と言うルールが設けられています。図示すると次のようになります。


ルールには必ず例外があります。例えば、あるリゾートの4人ユニットが数多くプールにある場合には、2人ユニットからの交換を認める場合があります。交換会社のビジネスとしては、出来るだけ交換件数を増やし、プールに預けいれられたユニットが無駄なく利用されるのが理想的な状態となりますから、このようなアップグレードを例外として認める場合もあります。

シーズン区分
すべての加盟リゾートに、地域特性を考慮したシーズン区分が設定されています。ピーク・シーズンを持つオーナーは、制限なくどのシーズンでも交換出来ますが、ロー・シーズンを預けいれた場合は、ロー・シーズンの週としか交換出来ないのが原則です。RCIの場合は、これらのシーズンを色分けしてレッド、ホワイト、そしてブルーの3色で表示しています。図示しますと次のようになります。


このルールにも例外はあり、利用日の間際になってもまだプールにレッドやホワイトの週が残っている場合などには、アップグレードの交換が成立することがあります。 また、交換会社はプールに「在庫」が多くあるリゾートへの交換は、ルール上の制限を取り払って、特別プロモーションをすることもあります。ただし、例外はあくまで例外であって、常時約束されている訳ではありません。

リゾートのグレード
数多くのリゾートが加盟している以上、そのグレードには当然ながら差があるのは止むを得ません。そこで交換会社は独自の査定を行い、グレードの高いリゾートを選別して、交換上も特別に扱うシステムを講じています。RCIの“ゴールド・クラウン”リゾートと、IIの“ファイブ・スター”リゾートがそれに当たります。
例えば、「ゴールド・クラウン」と認定されたリゾートのオーナーは、原則として他の「ゴールド・クラウン」リゾートとしか交換出来ません。普通グレードのリゾートに交換した場合に、満足度が保証出来ないのと、時には苦情につながる可能性が有るからです。逆に、普通グレードのリゾートからは、「ゴールド・クラウン」リゾートへの交換は認められません。
「ゴールド・クラウン」の認定に際しては、居住ユニット内の設備や内装、リゾート全体のメンテナンス状態や従業員のサービスなどに関する、利用したゲストのソフト面の評価をも含めた総合的な判定を行っています。RCIの場合は、全加盟リゾートの約10%が、「ゴールド・クラウン」の認定を受けています。
RCIに交換を申し込んでから確定するまでに、
即座に決まる場合
数日から2、3週間待たされる場合
1ケ月以上待たされる場合
など色々なケースがあります。 コンピューター化された交換システムならば、ホテルの予約と同じように即座に確定するのが当たり前ではないかという疑問が起こります。これは、ホテルの予約と交換システムに基本的な違いがあるからです。

ホテルの予約
ホテルの場合は、部屋は全てホテルが所有し管理しています。簡単にいうと、最初は真っ白なマス目を、予約が入り次第、順次黒く塗り潰して行くのが、ホテルの予約作業です。まだ予約で埋まっていない部屋は空き部屋で、ホテル側は即座に希望者に提供できます。

交換システム
一方、交換会社はリゾートを所有しているわけではありません。販売されたタイムシェアのユニット(部屋)は、購入したオーナー達の持ち物で、まだ売れていない週はデベロッパーの所有物です。つまり、ホテルの場合とは逆に、マス目は、最初から全部黒く塗られていて、交換会社が提供できる空き部屋はゼロ、というのがタイムシェア・リゾートの場合です。

それでは、交換会社が提供出来る「白いマス目」はどうして確保するのでしょうか。それは、オーナー達が交換会社のスペースバンクに預けいれる「週」なのです。預け入れがあって初めて、白いマス目が出来るのです。ユニット数が多いリゾートでは、多数のオーナーがいますので、預け入れされて交換会社のプールに集まる週の数も多くなります。その中に交換希望に合致した週があれば、交換が成立するのです。
申し込み時点で、スペースバンク・プールに希望と合致した週があれば、即座に交換は成立します。希望の週がまだプールに入っていなければ、そのリゾートのメンバーが預けいれて来るまで待たなければなりません。
どれくらい待てば預けいれて来るかの予測は困難です。交換に出さずに自分のリゾートを使用するメンバーも当然いますし、誰もメンバーをコントロール出来ないからです。そのため、数日から数週間待たされるケースが出てくるのです。RCI会員の75%が交換を希望して実際に成立し、自分のホーム・リゾート以外の他のリゾートを利用しています。しかも、全交換申し込みのうち97%という高い確率で成功しています。

ホテルの場合でも、希望通りに予約出来ない事が多々あることを考えますと、タイムシェアの交換システムは立派に機能しており、業界の発展に重要な役割を果たしていることが理解できます。それは、次に掲げるRCI加盟リゾートを対象として調査したRCIのサービスに対する満足度にも表れています。
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