タイムシェア・コミュニケーションズ
ホテル旅館の再建問題が取り上げられる度に食材や料理、器、膳立てなどの料飲関係に始まり、エステの導入や温泉掘削・浴場の改装などにその矛先が向けられます。
しかし、室料自体がデフレ傾向にある今、客室稼働率が多少上向く程度のことで多額の借入金を抱える多くのホテル・旅館の経営状態がほんとうに改善され、安定するのでしょうか。金融機関の貸し渋りや貸し剥がしが長期化し、外資系大手ホテル・チェーンが次々に日本進出を加速する中、従来とは違った視点からホテル・旅館の再生について提言します。
「タイムシェア(Timeshare)」、別名バケーション・オーナーシップ(Vacation Ownership)という言葉をご存じでしょうか。 世界的な不況下にある現在でも年率15%以上という高成長率を誇る世界共通規格のプリペイド型リゾート滞在システムを指すリゾート産業界の専門用語です。
世界90カ国以上で採用されているこのタイムシェアの基本形は、1年が52週間あることから、“客室の一年を52の数に分割した専用のカレンダーの中から自分の好きな期間を選んで購入し、以後は予約も抽選もなしに自分の選んだ期間を宿泊者全員が毎年無料で確実に利用できる”というものであります。
しかも、“毎年毎年、同じ時期に同じ場所では飽きる”という人のために、国内外の数千ヶ所の一流リゾート施設との交換利用を申し込むことができるプログラムも用意されていいます。
もちろん、購入した施設が世界的なリゾート交換利用斡旋機構(II社、またはRCI社)のリゾートネットワークに加盟している必要がありますが、宿泊費は自分の施設と同様に無料です。
一般的には将来の何十泊分かの宿泊料相当額を一括前払いすることでこの権利を手に入れることができます。いわばプリペイド型の宿泊システム。
従って、施設側は利用時の宿泊代金は貰えませんが、プリペイド(一括前払い)により集めた資金を借入金などの返済に充当すれば、有利子負債を一気に圧縮することもでき、タイムシェアの高収益性が資金繰りをも楽にします。しかも購入時点で何年も先までの宿泊が決まるため、通年高稼働。
またさらに、滞在中の水道光熱費もすべて顧客全員が負担する年会費や維持管理費で賄い、客室内の清掃やベッドメイクなどの作業も滞在中に1回、原則としてチェックインの時だけ行えば済みます。これまでのようにホテル旅館特有の周到なサービスが不要となるため、人件費の節約にもつながります。
一方、顧客側にとっても、自分が毎年使いたい時期の権利を好きな期間だけ購入できるこの合理的な仕組みによって、従来の平均的なリゾート会員権や、別荘マンションを丸ごと一戸購入するのに比べて、高品質のホスピタリティの享受は勿論、初期投資や維持費、管理費が格段に経済的になります。
しかも、いったんタイムシェアを購入した後は、旅行費用のうち宿泊代に相当する分が不要となり、その分を料飲や売店、各種アトラクションへの参加費用に充てることができるので、経済面における顧客満足度は総じて高いものとなります。
また施設側にとっても室料収入以外の営業収益面への期待が高まります。
狭義には現在国内には本格的なタイムシェア施設はまだ存在しませんが、タイムシェアを広義に解釈すると15ないし20の施設を数えることができます。

(1)金融機関に運転資金や増改築資金の融資を断られ、タイムシェアを導入して倒産の危機を脱した温泉旅館。
(2)低稼働の客室の一部にタイムシェアを設定してホテル運営と共存させたリゾートホテル。
(3)デフレによる固定資産の含み損(時価と簿価の差)の解消とリゾート施設の売れ残り問題の両方をタイムシェアに託したリゾート施設など。

しかし通常、タイムシェアを事業化するに際してはかなり高度な専門性が要求されます。残念ながら国内で計画された多くの商品基盤は、模倣とシステム依存によるもので、ノウハウ不足やプログラム上の不備が随所に見られ、改善の余地も多くみうけられます。
国内はもとより、世界的にもインハウスだけでタイムシェア事業を成功させた新規参入組がないことを考えるとタイムシェア専門家によるサポートは不可欠といえます。その上で、特定の顧客層に特化した商品づくりや、“点”から“面”、いわゆる地域単位での取り組み等によって、その地域の特性やスケールメリットを活かした商品づくりを行うなど、ソフトを中心としたタイムシェア事業の推進が肝要です。
わが国の多くの観光ホテルや温泉旅館などの収益の悪化は、すでに構造不況業種の様相を呈しています。
すでに一部では、景気による影響が顕著な法人客・団体客一辺倒の営業や収益を圧迫する外部依存の斡旋送客システムなど抜本的な見直しが進んではいるものの、とりわけ固定費が売上全体の7割前後を占めるといわれている旅館業は、より収益性の高い安定した経営体質への改善が急務といえます。
しかし、“隣百姓”式に同業者の動向を見定めてから行動していては、独自性を創出するどころか、昨今の厳しい競争を勝ち抜くことなどできません。
要は、価格破壊競争や金太郎飴のような露天風呂の設置競争、料理メニューの改善競争などから一刻も早く脱却し、収益構造そのものの改革を実践することが何よりも重要です。
本サイトで紹介したタイムシェア業界は現在、マリオット・バケーション・クラブ(年間売上高において世界最大のタイムシェア企業)を筆頭に、シェラトン、ディズニー、フォーシーズンズ、ハイアット、ヒルトン、ザ・リッツ・カールトンなど世界的なホテル企業のタイムシェア部門が上位を占めていますが、世界中に5,000ヶ所以上あるといわれるタイムシェア施設の大半は、一桁台の客室しか持たない小規模なホテルや100室未満のリゾート施設、或いはまたペンションやログハウス、湖畔に浮かぶハウスボートなどです。
つまり、タイムシェアはホテルや旅館などの“ホスピタリティ産業”からの参入が優位であり、また成功の可能性が極めて高いのです。
時まさに変革の時代。世界情勢はいうに及ばず、日本の政治形態も経済システムも、また企業のビジネスの在り方も変革を迫られています。
競合他社が一時しのぎの改善に血眼になっている今こそが、タイムシェア事業を中核とした新たな事業・改革に挑戦する絶好の機会といえるのではないのでしょうか。まずは、お気軽にご相談ください。
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